スポーツアナリストってなんだろう
Sports Analyst Meetupを開催してきて早一年が経ちました。
この一年、spoanaを通して、ありがたいことにスポーツ界に限らず様々なアナリストの方々とお会いすることが出来ました。
一年経った今、そして退職して数か月たった今、自分の考えていたスポーツアナリスト像がクリアになってきたので、この機会にまとめておきたいと思います。
データサイエンティストとスポーツアナリスト
データサイエンティストの定義って一応ビジネス、データサイエンス、エンジニアリング3要素に分かれていると思うのですが、3つ全部の要素を兼ね備えた人はなかなかいなくて、数人で各要素を補い合っている組織が多いことと思います(願望込み)。
引用:http://www.datascientist.or.jp/files/news/2014-12-10.pdf
この3要素をスポーツアナリスト版にするとどうなるのでしょうか?
(あくまで外から見た意見ですが)私は下図のように考えています。
おそらく従来はアナリストというとこの図のエンジニアリングの業務を指していて、近年やっと他の要素までやれる方が増えてきた(もしくは増やそうとしている)という認識です。これからは少なくとも2要素をカバーしていないとこの業界では生き残れないと考えています。
とはいえ、まだ競技ごとのバラつきは大きいと思います。やはり市場規模が大きかったり、オリンピック種目になったりなどチームの強さを100%から120%に上げたい、100%を来年再来年と持続させたいと経営陣が思うようになったら予算が割り当てられて、アナリストが増えていくとかそういう世界だと思います。
なので、他業界で数年前に議論されていた「使う目的を決めてからデータを継続的に集めていかないと意味ない!」とか「データは感覚を否定するものじゃない!」とか「データがたまってきたからなんか出してはダメ!」といった話題がやっとこれから観測されてくると思いますし、もう既にされてるところは比較的技術が進んでいるチームでしょう。
こういったアンチパターンは業界問わず当てはまることが多いので、spoanaの懇親会などを使ってぜひ意見交換してほしいです(できたら、私も話に混ぜてください)。
チームを支える企業
競技のチーム内部にいる人はエンジニアリングから始まっていると上で説明しましたが、チームの外側からチームを支えている企業はたくさんあります。
引用:https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/200106.html
私は野球のことしかわからないですが、先ほどの図でいうとNEXT BASEさんがバイオメカニクス、DELTAさん・データスタジアムさんが戦略構築、ライブリッツさんがシステム化がメインのイメージです。(間違ってたら指摘してください。)
やはり少なくとも2要素を兼ね備えた企業がどんどん強くなっていく印象があります。
しかし、これだけ企業があるのだからこれからスポーツアナリストは増えていくだろうと思いますが、それを受け入れる土壌のあるスポーツ、企業は多くないと思います。
ただ、業界として他チームや他スポーツなどに横展開していかないと事業がスケールしていかないですし、同じ人がいくつもチームをかけ持つのは情報の機密性や忙しさを考えても現実的ではないので、多少は増えると思います。狭き門です。(ゆえに私は就職に苦戦している)
お前はどうしたいの?
こうしたときにじゃあ、お前(私のことです)はどうしたいの?となるわけですが、
この図の通り、Can→Want→Willの順でステップアップしていきたいなぁと思っている所存です。
長い道のりになるかもしれませんが、需要があり出来ることで業界の経験を積みつつ、徐々に球団の編成やスカウティングといった戦略構築に手を伸ばしていきたいと考えています。
今は世界的に状況が状況ですし、やきう開幕もいつになるかわからないので、上記を最短できる方法を模索しつつ、インプット・アウトプットをしている最中です。
今やれることをやるしかない。
さいごに
コンサルタントが会社のお医者さんであるように、スポーツアナリストはチームのお医者さんであり、常にセカンドオピニオンを求められる存在だと思います。
結果である病名だけを伝えるのが医者の役割ではなく、どうしたら予防・改善できるのかまで提言できるのが求められる医者であるように、データから得た事実だけでなく、どうすれば課題を解決できるのかまで提言できるアナリストになりたいものです。
ポエムになってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
Stay home, and study hard.